鎌倉、まぼろしの風景。64 
鎌倉、まぼろしの風景。

     イメージの翼に乗って中世+近世鎌倉を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


厳島神社の神紋

:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


約束の地          

 昔、遠い昔。国を追われた人たちが、見知らぬ土
地に逃れて来たときに、生き残るために、何をする
だろう。赤ん坊も年寄りもいる集団で、大事な道具
も持ち出して、自分たちにとっての宝物も抱えて、
そうやっていつまで放浪するのだろうか。

 やっと見つけた場所に、長男と次男の家族が住み
ついたとする。三男と四男の家族は、その先に旅立
ったのではないか。いつかきっと、大きな町の首長に
なって、みんなを呼びよせられる、平和な故郷を作る
からと、約束しあって。その約束の地は、どこだろう。
いつか、息子の息子が、探し当ててこれる場所は。

 それがもし、砂漠を渡る遊牧民だったなら、あるいは
海原を渡る海洋民だったなら、彼らは星を見るのに
長けていて、故郷からどのくらい離れたのかを、その
星を見る技術で知っていただろう。だから、どんなに
離れても、約束の地は故郷の東(あるいは真南)であ
っただろう。真東。つまり同じ北緯の場所は、北極星
の高度が同じだ。夏至の日が来れば、太陽は故郷と
同じ高さで照りつける。冬至の柔らかい太陽光も、故
郷と同じ高さで、同じ長さの影を作る。そして故郷と同
じ天の位置に、同じ星座が巡る場所だ。

 だから、岡山県倉敷市の、古い古い阿智神社と、奈良
県天理市の石上神宮が、同じ北緯34度35分40秒に
あったとしても。あるいは長崎県対馬市の久頭乃神社
と、三重県松阪市の阿射加神社が、やはり同じ北緯
34度35分40秒にあっても、それは不思議ではないの
かもしれない。時代が移り、統治者が代わり、服従の印
に神社の名前が変えられても、地上に引かれた線は、
星の民には見えたのだ。

 だから、イスラエルの失われたアークがあるという徳島
県の剣山と、レバノンのベイルートが同じ北緯33度51分
でも、かまわない。でもそこに、熊野本宮奥の院と伊豆七
島の御蔵島が並ぶとなると、どうだろう。

 御蔵島はみごとな火山島で、甘南備山の美しい雄山が
ある。北緯33度51分18秒には稲根神社があり、その真
北にも、同じ名の稲根神社がある。南北に並ぶ二つの神
社は、その東経139度35分48秒の線に沿って、北上する
事を誘う。そしてその先は、神奈川県鎌倉市の十二所果樹
園の東。市の東端に重なる。だから何だと、言われるかもし
れない。熊野ラインの朝比奈山の熊野神社からは160mも
離れている。
参照:21.熊野神社の謎

 でも、ここには、人の作為があると思う。それは何か、わから
ないけれど。
 星を頼りに新天地を求めて移動して来た人たちは、星の神
を祭る宗教家だったのだろうか。私はそうではない気がする。
資源を奪われて、持ち出すものも無く、自分の知性だけで生
き抜く事を強いられた人たち。星を見て、地球上の位置を知
り、星を見て夜明けまでの時間を予想する。種をまく時期も、
洪水や嵐の季節を予告するのも、すべて研究された資産、伝
承なのだ。自分の能力を信じて進んで来た人たちである様に
思える。その技術も、いつのまにか、占いと迷信に満ちたものに
変貌して行くのだけれど。

 遠い昔、ここからまっすぐ真東で、待っているよ、と別れた、そ
んな人たちがいたのかもしれないと、地図を見て思う。


     

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  ***亀子***( 9 Jan.2008-23 May 2012)
 
     

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