鎌倉、まぼろしの風景。72 
鎌倉、まぼろしの風景。

     イメージの翼に乗って中世+近世鎌倉を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


***

:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


環状列石の使い方(五芒星2)          

環状列石のしくみ(五芒星1)から続く。
4)  住んでいた村を出て移って来た人たちは、新しい扇
状地をみつけた。水があり南に高い山が無く、北に
山の頂がある平地である。理想的だ。

 その日の夜、北斗七星が見えた頃、たっぷり時間を
かけて北斗が左に回転するのを眺める。回転の中心
を探すのだ。その位置にとんがり山の山頂がくるよう
に、自分たちが移動しながら、北斗の回転を見つめ
ていた。その時代に北極星があっても無くても、天球
の中心は見つける事ができるのだ。
 とんがり山のとんがりの上に、地軸がさす天の北極が
のったところに、地上のカレンダー、環状列石を設営す
るのだ。

 朝になって、中心地に垂直に立つ棒を立てる。棒の影
の長さを地面にマークして、 夕方まで太陽の動きを見
る。朝は長い影。正午は一番短い影。正午の影を中心
にして、左右の影の同じ長さの所を結べば東西の線が
得られる。一番短い影は、東西線に直角で、これが南
北の線だ。直角を確かめるのは、布を4つに折るのが
てっとりばやい。環状列石になる場所に、東西線と南
北線がひかれた。その上に大きな星形を描く。描き方
はペンタクロスさんのHPに詳しい。校庭にロープをはっ
てみんなで作る五芒星は、縄文人の感動をそのまま持
って来てくれる。
参照:22.☆で古墳を造ろう

 五芒星のとんがりの一つを、真東に向けると、北側の
とんがりは北から東へ17度くらい傾く。この「山A」から
「谷a」までの間に北斗が回っている。夜明けまであと
何時間か知りたいときに、ここを見る。北斗は大きい星
座だから、山があって一部隠れていてもだいじょうぶだ。
日没後の最初に見える北斗の位置をA-a間に置石すれ
ば季節ごとに対応できる夜間時計のできあがりだ。

「山B」から「谷b」へ春分と秋分の太陽が通る。毎日、
日没の位置に石を置いて行けば、あと何日で春分なの
かがわかる。「山D」から「山E」の間に182個の美しい小
石が並べられると半年間のカレンダーができあがる。

 「山C」から昇るカノープスは、恒星の中で一番明るい
シリウスに次ぐまばゆい星だ。でも、北緯26度の東京で
は、水平面からわずか2度しか上がらない。南の景色に
広い窪地が必要な由縁だ。環状列石がみつかった秋田
県鹿角市十和田の大湯は北緯40度を越える。カノープ
スは昇ってこない。だからこのカレンダーを持って来た
人たちはカノープスをよく知る南からやって来た人たち
なのだ。
 北緯を知るには北極星の高度を測るのが簡単だ。でも、
北極星が無い時代もある。だからカノープス、寿老人星だ。
「山C」から「谷c」へカノープスが渡るのは、後に道教の
聖地とされる泰山と同じ北緯36度あたりと考える。「山C」
より南に出て「谷c」よりも南に沈む、ちょっとしか寿老人
が出ない所は36度より北の地点だ。逆に「山C」より東側か
ら昇れば、南の地にいるわけだ。3000年前であれば、北緯
34度あたりが「山C」であったかもしれない。大湯では
北過ぎて、GPSは振り切れてしまったのだ。*1
だから南側は、昼間の太陽の位置から、日没まであと何
時間あるのかを知る昼時計として使ってしまう。

 同じ様に「山D」に冬至の太陽が沈むのは北緯45度より
も北の、利尻島、稚内、モンゴルだ。ここが北端と思った
のだろう。「山D」よりも西に冬至の太陽は沈む。もし、一
年中「谷b」に太陽が沈んでいるのなら、そこは赤道の下
だ。

 新しい土地に村をつくるときに、まずカレンダーをつくる。
みんなを飢えさせないように。最も収穫高の高い種まきの
日を決めるために。台風の季節を知るために。それは絶対
に必要なものだ。地軸がずれても、移動して緯度が変わっ
ても、この環状列石なら対応できる。完成された科学技術
だ。それがずっと後世になると、北に玄武の山があり、南に
朱雀の窪地があると長く栄える都になるなどと、知識は迷信
に化けてしまったのだ。暦作りは支配者の独占になり、星を
見る技術は占いに変質したのだ。人の未来までカレンダー
では予測できないのに。

追記*1:奥三面遺跡群アチヤ平遺跡・環状配石と太陽暦
というサイトがあった。新潟から南十字星が見えたのだそうだ。
すごすぎる。ケンタウルス座のα星もβ星も見えたのだそうだ。
α星はッ0.01等級。β星だって0.6等星。おおいぬ座のシリウ
スのッ1.47等級には負けるけど、2つあるから目立つ。
カノープスじゃなくて、これ、かもしれない?

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  ***亀子***( 1 Feb.2008-30May2012)
 
     

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