キリスト教の聖書(英語)には、縦の文字を繋いだり、
斜めに文字を拾ったりすると、ヒットラーとか、世界大
戦とか、未来を啓示した様な不思議があると言う。
それは面白いけれど、まったくの偶然だと私は思う。
他の本でも探せば、驚く様な文字が拾えるだろう。
だけどそれを見つけた人は、すっごく嬉しかったと思う。
だから偶然を楽しみに、定規を持って地図を眺めてみる。
稲村ヶ崎の東隣に霊山崎はあったそうだ。その上の山
が霊山山(りょうぜんざん)だそうだ。高名な僧侶の名
を持つその山に仏法寺跡がある。その遺跡発掘をからめ
た座談会をネットで読んだ。仏法寺は広い極楽寺の境内
の中の、寺の一つだそうだ。
有鄰 第430号 座談会 中世鎌倉の発掘
そこに『鎌倉の東の端と西の端に、称名寺と極楽寺と
いう律宗の寺がある 』という文があった。気になった。
称名寺とは、横浜市にある金沢文庫として有名な北条
氏の寺だ。確かに鎌倉の東の端だ。それとは別の称名寺
が鎌倉にはある。今泉不動として知られる、陰陽の滝の
ある古刹だ。ここもやはり鎌倉の東端ではあるだろう。
じつは、若宮大路と十王岩を結ぶライン(参考:4.飛
竜の都市)を延長すると、この今泉不動の真上を通るの
だ。偶然だと思っていたのだけれど、やってみよう、と、
仏法寺跡と称名寺今泉不動を線で結んでみた。
ところでこの座談会で、称名寺と極楽寺について語っ
た西岡先生という方は、神奈川県立金沢文庫主任学芸員
なのだった。そう、称名寺とは金沢文庫の方だったのだ。
だから始めっから、誤解の上の作図だったのだった。
さて、仏法寺跡と今泉不動を結ぶ長い線を、西に向け
て30度に伸ばす。そうして西側に大きな正三角形を作
った。その頂点には、玉縄城趾があった。今は無い、美
しい五芒星を思わせる五角形の城郭の山城だ。
以前、天台山ー住吉城趾ラインで正三角形を作ったと
き、その頂点は野村総合研究所跡地になった。北条氏常
磐邸跡とも言う。天台宗発祥の地の天台山と、将軍星住
吉3神に並んで、北条さん、凄い位置にご自宅を造った
ねって笑ってしまった。仏法寺霊山山と称名寺、玉縄城
の取り合わせも、なかなかだと思った。
それで満足すればいいのに、もう一つ、作図をしてみ
た。霊山山仏法寺跡と称名寺今泉不動ラインの東側に正
三角形を作った。頂点は逗子市山の根二丁目の山だった。
寺も何も無い。熊野神社があるだけだ。ところがここは、
松本寺の跡なのだと言う。明治の廃仏毀釈で廃止された
寺だそうで、逗子大師延命寺の末寺なのだそうだ。
逗子エリアなので、とりあえず追っかけない事にした。
でも、気になる。鎌倉の地図上に幻の正三角形を描くと
そこには不思議な偶然が待っていて、想像を誘うのだった。
***亀子***(7Jun.2007-14 Jun.2012)