鎌倉、まぼろしの風景。94 
鎌倉、まぼろしの風景。

          
     イメージの翼に乗って中世+近世鎌倉を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


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:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


王の鳥ホトトギスとミソサザイ          

 5月の鎌倉はホトトギスとウグイスの声があち
こちで聞こえる。6月になってミソサザイの声に
気づく。住宅地の屋根の上から、金属的なコロラ
トゥーラが鳴り響いてきて、その姿も見る事が出
来た。
参照:ようこそGoichi's Birdsへ 「ミソサザイ」
参照:ようこそGoichi's Birdsへ 「森のコンサート」

 ホトトギスについては、万葉集の鏡王女の歌から
調べ始めて、故事を知る事が出来た。
  参照:49.万葉集の大船幻影
 鏡王女は藤原鎌足の正妻で、万葉集巻8ッ1419
に、呼子鳥の歌が載っている。呼子鳥とはカッコウ
だと言ったりホトトギスだと言ったりする。両方と
も托卵という習性があってホトトギスはウグイスの
巣に卵を産むのだ。孵化したヒナはひとまわり大き
く、ウグイスに育ててもらうのだ。
参照:ようこそGoichi's Birdsへ 「ホトトギス」

 鎌足は百済の王子の余豊璋である、という本を読
んだ。日本に亡命した王であるというのだ。
参照:藤原氏の正体 関裕二著 東京書籍

ホトトギスは不如帰と書いて、中国音でプルクイチュ
と読むらしい。「帰れない」という意味だそうだ。
中国の昔話で、蜀国王の杜宇が、国を失って嘆き
不如帰プルクイチュ、ホトトギスになったという。
また夜も鳴く鳥で、夜更けの3時とか4時に、突然
ホ、トト、ギス!と聞こえたりする。
 暗闇から「帰れない」と叫ぶ様に鳴く鳥は、姿を見
せない人、すなわち亡くなった人の声を伝える鳥と
も言われたそうだ。
忍音(しのびね)というのもホトトギスの鳴き声なの
だそうだ。

血を吐くまで鳴くというホトトギスには不吉なイメージ
もある。そんななかで、まったく別のホトトギスがいた。
参照:古典 びっくり仰天 合点 ホトトギス解体新書

ほんと、びっくり仰天いたしましたとも!。
ホトは女性器の古語。トギは夜伽のトギ。
スはカケスやカラスのス。里の鳥。なのだそうだ。
なるほど。それで鏡王女は呼子鳥と言い換えたのだ。
赤面するような音なのだ。古今伝授の秘密のひとつ
三鳥といわれる呼子鳥も、案外こんな理由で秘密な
のかもしれない。

ミソサザイはとても小さい鳥で、目立たない地味な姿
をしている。この鳥には王様のイメージがあるらしい。

 森の王は誰かと言う争いで、鷹が空高く羽ばたいて、
王は私だ、と言った。すると鷹の背からミソサザイが
飛び出してさらに上から、私が王だと言った。
これはスコットランドの伝承だそうだ。まるで十二支の
ねずみと牛のお話の様だ。日本のミソサザイだって、
森の王を主張している。
仁徳天皇の陵からいのししが飛び出して来て、どうと
倒れた。その耳から小さなミソサザイが飛び出した。
山の王いのししを倒したのは、耳から入ったミソサザイ
だった。
この話はいのししではなく鹿とも言われていて、耳から
飛び出して来たミソサザイが鹿を殺したというようにも
伝えられている。また、ミソサザイではなくモズが耳から
出てくるという話でもあり、百舌原という地名が仁徳天皇
陵の地名になっている。
この3つの話はどれも「小さいけれど王者を倒して自分
が王になったミソサザイ」という内容だ。

そして、鹿は藤原氏でいいのだろうか。イノシシについ
ては、崇峻天皇の有名なエピソードがある。
献上された大猪を見て、崇峻天皇は皆に語った。
いつかこの猪の首を切る様に、自分が憎いと思う者を
斬りたい。と。それを聞いた蘇我馬子は、それが自分の
事だと思う。そして崇峻天皇を暗殺する。臣下に殺され
た天皇は彼だけなのだそうだ。

この頃、名前にミソサザイがついている天皇が3人いる。
サザキという古名がつく天皇だ。
16代、仁徳天皇(にんとくてんのう)は大雀命(おほさざき
のみこと)。
25代、武烈天皇(ぶれつてんのう)の、小泊瀬稚鷦鷯尊
(をはつせのわかさざきのみこと)小長谷若雀命。
32代、崇峻天皇(すしゅんてんのう)の、長谷部若雀命
(はつせべのわかささぎのみこと)。

王者ミソサザイが崇峻天皇だとすると、イノシシにミソ
サザイが殺されたことになる。不思議だ。
それで、森の王になったミソサザイとは、どの天皇だった
のだろう。

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  ***亀子***( 26 Jun 2008-7 May 2012)
 
     

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