鎌倉、まぼろしの風景。89 
鎌倉、まぼろしの風景。

          
     イメージの翼に乗って中世+近世鎌倉を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


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:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


こぶた山と雀神社(3)          

鎌倉市の大船駅西口から、かつてはドリームランド
行きのモノレールが通っていた。わずか1年で閉鎖
になり、その後長く線路が残っていたために、廃墟
好きの格好の被写体になっていた。鬱蒼とした竹林
に潜っていくモノレールの高架線は、本当にアートし
ていたのだ。美しかった。俣野公園になったドリーム
ランドへは、今はバスが繁く通っている。

 大船駅西口の次が坂本バス亭。M菱電気観音山社
宅へ行く坂のふもとである。大船はM菱城下町とも言
われるほど、関連工場がたくさんあるのだ。
その次が長尾台。
長尾台塁跡である。そして宮ノ前バス亭。長尾氏の御
霊神社の神域だ。
 その次がこぶた山である。小蓋山と書く。

笠間大橋のたもとにある台地は、橋のおかげで目立
たないけれど、長尾台の山脈の北端にあたる。鎌倉
市小袋谷のかめの子山のように、誰かが山の端を切
り出して、丸い形にデザインしたようにも見える。今は
木々が茂った住宅地だけれど、なだらかな岡であった
と思わせる旧道の風情がある場所だ。ここにバス停小
蓋山がある。

 小蓋という地名をネットで探すと4件もあった。
まず、福島県伊達市保原町小蓋。
ここには養蚕神社があって、夏の天の川と同じ向きの
阿武隈川の南岸だった。ではその北岸には何がある
のかというと、伊達郡桑折町伊達崎の熊野神社があ
るのだった。ちなみに、ここの東経の北端は津軽半島
の高野崎。地図で見ると感動的なのだ。偶然とは面
白いものです。

次に福島県耶麻郡猪苗代町山潟小蓋山。
猪苗代湖の東側だ。湖が山頂にあるのだろうか、その
南に小蓋山はあった。会津街道と越後街道が通って
いて川があり、北に在る鎌倉山の真南にあった。

3つめは宮城県の遠田郡涌谷町字小蓋谷。
出来川の南の、農耕地だった。谷だから、小蓋山とは
違うかもしれない。ここ、遠田郡涌谷町は、日本最初
の金の産出地だそうだ。陸奥守になった百済王敬福が
749年に黄金900両を献上したのだそうだ。天平から
天平感宝に年号が変えられて、万葉集にも大伴家持の
めでたい歌が載っている。

すめろぎの御世栄えんと東なる みちのく山に黄金花咲く

須賣呂伎能 御代佐可延牟等 阿頭麻奈流
美知(乃)久夜麻尓 金花佐久 - 『萬葉集』巻18  4097

[注]天平感寶元年五月十二日於越中國守舘大伴宿祢家持作之

そして宮城県登米市の北方小蓋。
壇ノ浦という小字の、その北にあった。奥州藤原氏の
影響が強い地域なのだそうだ。迫川の支流の荒川の
南にあった。
どこもみな大きい川とその支流のそばにある。横浜市
戸塚区の小蓋山も柏尾川の支流の大面川の南にある。
これは偶然なのだろうか。

小蓋山が気になるのは、奈良の春日大社の背後に在る
御蓋山(みかさやま)と字が重なるからだ。「御」という字
は、「お」とも読むから、「小」に変わってしまったのかもし
れない。そして春日神社がその辺りにあったのだろうか。
鎌倉時代に藤原氏の神社は、別の神に替えられたかも
しれない。とにかく、戸塚区の小蓋山は春日神社に由来
する地名かもしれないと思っている。
参照: 万葉の景色 御蓋山

ところで、茨城県古河市に小蓋宮という神社がある。
古河市のシンボルになっている樹齢600年の大ケヤキが
境内に在るらしい。
参照:古河市 小蓋宮稲荷社の大ケヤキ
この古河という地名は万葉集の東歌にも歌われている。

まくらがの こがのわたりの からかぢの おとだかしもな ねなへこゆゑに 

麻久良我の許我の渡りの韓楫の 音高しもな寝なへ子ゆゑに

麻久良我乃 許我能和多利乃 可良加治乃
於<登>太可思母奈 宿莫敝兒由恵尓-『万葉集』 巻14  3555

古い地名なのだ。渡良瀬川の渡し場として、重要拠点
だったのだ。その古河市に、雀神社をみつけた。
参照: 茨城県古河市 雀神社
そこに藤原実方さんが現れたのだ。
参照:87.鎌倉郡小坂郷上倉田村の謎(1)

90.雀神社の謎(4)栃木県宇都宮市雀宮町に続けます。


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  ***亀子***( 20 May 2008-7 May 2012)
 
     

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