鎌倉、まぼろしの風景。96 
鎌倉、まぼろしの風景。

          
     イメージの翼に乗って中世+近世鎌倉を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


日没3時間前の海軍さん通り

:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


海軍さん通りの夕日          

6月21日は夏至。太陽が一年で一番北側から昇り、
一番北側に沈む。昼が一番長い日でもある。
 冬至とともに、世界中で古代からのお祭りがある。
神社では6月の大祓があって、茅の輪が立てられる。
それをくぐりながら、あと半年の無病息災を祈る。
蘇民将来の故事を継承するお祭りだ。

夏至の日の太陽は真西から約30度北に沈む。
だから、その向きに真っすぐ通っている道に立つと、
太陽は道の先に沈む事になる。
そういう道が、鎌倉にも在る。

 鎌倉市台にある、通称「海軍さん通り」は、横須賀線
の開通とともに、ここに邸宅を持った海軍将校さん達
の高級住宅地だ。今も瀟洒な邸宅が大木となった桜
の木とともに並んでいる。この直線道は真西から30度
北に傾いていて、夏至の夕日を楽しむ趣向だ。
桜の木が一年に一度、四月上旬に花開く様に、夏至の
日の数日間、太陽は道の端に沈む。夕日を楽しむ庭の
設計である。

北鎌倉駅から大船駅方面に数分歩き、光照寺前の坂を
登りきると、戦前の海軍道路である。かまくら子ども風土
記には、古老の説話が載っている。大昔、関東と東北地
方の先住民の蝦夷が住んでいた場所に「岱」という名が
残っていて、それが台になったのだというのだ。
鈴木千歳さんの「古代鎌倉考」では、ヤマトタケルがエミ
シと戦った激戦地が梶原で、「東夷矢に当たり死すもの
万をもってこれを数え、その屍は山となる。」というカバネ
倉こそ、鎌倉である。という。
参照:9.セキサンガヤツ
相模の国の境川から東は、アズマエミシの地だったという。

蝦夷とアズマエミシと東国人を、ごっちゃにして語るのは
間違いだ。でも、時代を超えて流れる通奏低音は、その
時代ごとに新しい解釈と新しいヒーローを加えて受け継が
れる。ヤマトタケル、坂上田村麻呂、藤原利仁、平将門。
将門は関東各地で戦いを繰り広げたが、武蔵と相模だけ
は、戦わずに傘下に入れたという。古事記に、相武國と書
かれた地域は、今も独特の文化圏を形成しつつあるのだ
ろうか。
JR湘南新宿ラインが通った時に、これで相武が繋がった
と、喜んだ人たちは、中世以来の鎌倉と埼玉の繋がりを
維持して来た人たちだったのだろうか。
参照:相武国道事務所

台の海軍道路は、標高34mの山頂が平らな岡にある。
光照寺の坂を上り詰めた所から、まっすぐ道は通っていて
道の先端は35m。わずかな昇り坂になっている。その先
は、かつては人一人がなんとか通れる急な下り坂の山道
だった。
行き止まりの自動車道だったのだ。崖の上で終わっている
道のその先に、夏至の落日が収まっていたのである。

夕日を見る30度の傾きの道は、たくさんある。
北鎌倉駅から北西へ500m、権兵衛踏切前から小袋谷
交差点に至る300mほどの県道もそうだ。それに、かつて
地上の南斗六星があった大船の丘を縦断する直線道も。
参照:26.北条屋敷跡の南斗六星
それから、岡本から久成寺に至る道。ここは上り坂の先に
寺の在る山頂が見える。山頂に沈む夕日だ。
藤沢市影取町から東俣野、原宿に至る国道1号線。それに
接するたくさんの横道は30度の傾きを持つ。そう、このあたり
の国道1号線は鶴岡八幡宮に向かう若宮大路の傾きに近く、
北東に30度近く傾いているので、夕日を見る道がたくさん
できるのだ。
参照:10.若宮大路のカレンダー
宿場町だった戸塚のこのあたりに、旅の疲れを癒す時、見通し
の良い道の先に夕日が赤々と沈んでいく。
それは夏至の頃だけの美しい景観であっただろう、と、思うのだ。
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  ***亀子***( 7 Jul. 2008-3 May 2012)
 
     

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