鎌倉、まぼろしの風景。105 
鎌倉、まぼろしの風景。

          
     イメージの翼に乗って「星月夜の鎌倉」を妄想するページ。

星座早見盤と地形図を持って、鎌倉の地上の星座を探検中です。


*****

:::::目次:::::

:::Top最新のページ:::

・・・地図上の直線
地図に線を引くとわかる設計
(ランドデザイン)

・・・地上の星座
天体の運行を取り入れた景観

:::1.天平の星の井19Apr:::
:::2.虚空蔵菩薩堂:::

3.霊仙山20Apr:::

:::4.飛竜の都市:::
:::5.分水嶺:::

6.道の意匠:::

:::7.修験道の現在形:::

:::8.鎌倉の白い岩:::

:::9.セキサンガヤツ:::

10.若宮大路のカレンダー:::

11.神奈川県の鷹取山:::

12.鎌倉の正三角形:::

:::13.鎌倉の名の由来:::
:::14.今泉という玄武:::

:::15.夜光る山:::

:::16.下りてくる旅人:::

:::17.円覚寺瑞鹿山の端:::

:::18.鎌倉の獅子(1):::
:::19.望夫石(2):::
:::20.大姫の戦い(3):::

21.熊野神社の謎:::
22.熊野神社+しし石:::

23.北鎌倉の地上の昴:::

24.ふるさとの北斗七星:::

25.労働条件と破軍星:::

26.北条屋敷跡の南斗六星:::

:::27.星と鎌と騎馬民 :::

28.江の島から見る北斗と昴 :::
29.由比ケ浜から見る冬の星 :::

:::30.鎌倉の謎(ひと休み) :::

31.御嶽神社の謎:::

32.塔の辻の伝説(1) :::
33.昇竜の都市鎌倉(2):::
34.改竄された星の地図(3):::
35.すばる遠望(小休)(4):::

36.長谷観音レイライン:::

37.星座早見盤と金沢文庫:::

38.鎌倉の墓所と鎮魂:::

39.ふるさとは出雲:::

40.義経の弔い:::

41.「塔の辻」の続き:::

42.子の神社:::

:::43.松のある鎌倉(1):::
:::44.星座早見盤と七賢人(2):::
:::45.山崎の里(3):::
:::46.おとうさまの谷戸(4):::
:::47.将軍のいましめ(5)井関隆子:::

:::48.ふたつあることについて:::

:::49.万葉集の大船幻影(休憩):::

:::50.たたり石:::

:::51.鎌倉の十三塚:::

52.陰陽師のお仕事:::

53.坂東平氏の大三角形と星:::
54.大船でみつけた平将門:::

55.神津島と真鶴:::

56.鷹取山のタカ
(八王子市と鎌倉市)
:::
57.鷹取山のタカ2(鷹の死):::
58.鷹取山のタカ3(宝積寺):::

:::59.岩瀬、伝説が生まれた所:::

60.重なり合う四神:::

:::61.洲崎神社:::
:::62.語らない鎌倉:::

:::63.吾妻社:::

64.約束の地(小休):::

65.若宮大路の傾き(星の都1):::
66.國常立尊(星の都2):::
67.台の天文台(星の都3):::

68.鎌倉の摩多羅神:::

69.地軸の神(星の道1):::
+++おわびと訂正+++
70.鎌倉と姫路(星の道2):::
71.頼朝以前の鎌倉(星の道3):::

72.環状列石のしくみ
(五芒星1)
:::
73.環状列石の使い方
(五芒星2)
:::
74.関谷の縄文とスバル
(五芒星3)
:::

75.十二所神社のウサギ:::

:::76.針摺橋:::

77.平安時代のジオラマ:::

78.獅子巌の四神
(藤原氏の鎌倉)
:::

79.亀石によせる:::

80.山頂の古墳:::

:::81.長尾道路の碑
(横浜市戸塚区)
:::

82.柏尾川 天平の大船幻想1 :::
83.玉縄 天平の大船幻想2 :::
84.長屋王 天平の大船幻想3 :::
85.万葉集と七夕 天平の大船幻想4 :::
86.玉の輪荘 天平の大船幻想5 :::

:::87.実方塚の謎(1)
鎌倉郡小坂郷上倉田村
:::
:::88.戸塚町の謎(2)
鎌倉郡小坂郷戸塚町
:::
:::89.こぶた山と雀神社(3):::
:::90.雀神社の謎(4)
栃木県宇都宮市雀宮町
:::
:::91.実方紅雀伝説と銅(5)
茨城県古河市
:::

:::92.北鎌倉の悲劇:::

:::93.こぶた山と奈良東大寺:::

:::94.王の鳥ホトトギスとミソサザイ:::
:::95.悪龍と江の島:::

96.海軍さん通りの夕日:::

▲★97.今泉不動の謎:::
98.野七里:::
99.染谷時忠の屋敷跡:::

100.三ツ星とは何か
(またはアキラについて)
:::

:::48.ふたつあることについて:::
101.亀の子山と磐座、火山島:::
102.秦河勝の鎌倉:::
103.由比若宮(元八幡):::
104.北鎌倉八雲神社の山頂開発:::
105.北鎌倉 台の光通信:::
106.鎌倉の占星台:::
107.六壬式盤と星座早見盤:::
:::108.常楽寺 無熱池の伝説:::
:::131.稲荷神社の句碑:::
:::132.鎌倉に来た三千風:::
:::146.幻想の田谷 横浜市栄区田谷:::
150.鎌倉 五芒星都市:::
158.第六天社と安部清明碑:::
159.桜山の朱雀(逗子市):::
160.双子の二子山と寒川神社:::
:::161.ゴエモンの木:::
:::134.ここにあるとは 誰か知るらん:西郷四郎、会津と鎌倉:::
:::166.防空壕と遺跡(洞門山の開発):::

167.地上の銀河と星の王1(平塚市):::
168.地上に降りた星の王2
(鹿嶋神宮、香取神宮、息栖神社)
:::
174.南西214度の縄文風景(金井から星を見る):::

::: 175.おんめさま産女(うぶめ)伝説 (私説):::
176.おんめさまとカガセオ:::

177.南西214度の縄文風景 2
(大湯環状列石とカナイライン)
:::

178.御霊神社と鎌倉
(南西214度の縄文風景3)
:::

179.源頼朝の段葛とカガセオ
(南西214度の縄文風景4)
:::

::: 184.鎌倉の小倉百人一首:::

::: 185.鎌倉の小倉百人一首 2:::

:::156.せいしく橋の伝説:::
:::109.北谷山福泉寺の秘密:::
:::192.洞窟と湧水と天女:::
:::198.厳島神社の幟旗:::


資料集

きっかけ

はじめに

メール* 亀子
ブログ:鎌倉、まぼろしの風景(ブログ)


北鎌倉 台の光通信          


  鏡という言葉の語源は、カゲミ(影見)あるい
はカカメである、と、ウィキペディアに書いてあ
った。カカとは蛇の古語で、カカメとは蛇の目
であるのだそうだ。
 亡くなった母は、ホタル狩りの話をよく語った。
夜、草の陰で光るのは、ホタルではなくて蛇の
目であると。蛇を掴むことがないように、気をつ
けなさいよ、と。それは実際の経験ではなくて、
譬え話であったのかもしれないが。

 カカという音は、星の神の名の天香香背男(あ
まのかがせお)という中に潜んでいる。別名天
津甕星(あまつみかほし)という。まつろわぬ神
である。

 つまり鏡は古代から、光を反射して光るもので
あった。それは太陽神のシンボルとして今では
語られているけれど、もしかしたら、まず光ると
いう鏡の使用目的があって、太陽神として祭ら
れたのはそのずっと後なのではないか。と思い
ついた。

 古代の鏡と言うと、天の岩戸の前で天宇受賣
命(あめのうずめ)が髪を振り立てて踊っている
絵を思い出す。彼女の後ろに、榊の木に吊るさ
れた鏡が描かれている。玉のネックレスやきれ
いな紐で飾られた鏡に、アマテラスの顔が映っ
ている。

 鏡はそんなふうに木に掲げられて使われたのだ。
 たとえば、人の背丈の十字架を山頂に立てて、
その十字のところに紐で鏡をくくりつける。正三
角形を描きながら紐を2周巻き付けて横棒の端
で結ぶ。紐で結ぶのは鏡の角度を自由に調節す
るためだ。紐は結んでからも動きに合わせて伸び
縮みをする余裕をつくる。スニーカーのくつ紐や
腰痛のコルセットにも編み上げ紐が使われている。
  もう1本の紐を鏡のまわりに、同じ様に2周まわし
て、正三角形の形にくくりつける。結び目を反対側
に作ると、鏡は籠目模様で木に止められる。
六芒星、ダビデの星の形になるのだ。それから、
 鏡が揺れない様に、後ろにクッションを入れる。
榊の緑の葉をつけた枝を、鏡の後ろに差し入れる
と、紐がぴんと張ってくる。この枝で鏡の角度調節
をすることができる。
 上向きにするには鏡の下側に、水平に枝をたくさん
差し入れればいい。左に向けるには、右側に垂直に
枝を差し入れれば良い。
そうやって望遠鏡の設置の様に、真南に向けて鏡を
据える。やがて南中した太陽の光が鏡にあたり、
その光は真南に在る別の集落に反射する。
 光の子午線を描くのだ。まばゆい反射光だから、
見落とすことはないだろう。
南にある集落では、通信が始まったことを知る。
そう、これは子午線を描く測量でもあるけれど、
光通信でもあるだろう。

 大きな麻布をもってきて、ぴんと張って光を受ける。
スクリーンだ。光は丸い鏡の姿を映すだろう。
そしてもし、その鏡面に、太陽の黒点の様に、黒い
模様を描いたとしたら、その影はスクリーンに映し
だされるのだ。
伝えたい「何か」を表す形象を鏡面に描くだけで、
瞬時に相手に伝わるだろう。
2060m先の南の集落に、その光は届くだろうか。

 神奈川県横浜市栄区に在る笠間中央公園遺跡
から、鎌倉市台の海軍さん通りまでを想定しての
話である。笠間中央公園遺跡には弥生時代後期、
古墳時代、奈良、平安の住居跡がある。
鎌倉市台の方は、平成の時代の住居まである。

大船の砂押川の、茫々とした葦の原を越えて、
青木神社と離山の隙間をぬって、光は届くのか。
木が無く、古墳の形に低く加工された、かめの子
山の裾を通って、33mの山頂から34mの北面の
崖まで、反射光は届いたと思いたい。そう、明るい
台地の上のスクリーンで画像を受けるのではなく、
遮光した北面の岩壁面なら、鏡の画像はより鮮や
かに映るだろう。

 笠間公園は柏尾川、いたち川、砂押川に挟まれて
孤立した台地である。鎌倉市の台のような、舌状
台地にある遺跡と違って、島の様に孤立して低地
に浮かんでいる。それは安全面でかなり不安があ
ると思う。なのに遺跡があるという事は、笠間公園
は当初、見張り台として使われたのだと考える。
山頂に登れば、柏尾川に沿って、藤沢市宮前の
御霊神社の山頂まで視界が開けている。
御霊神社の南は、飯盛山青蓮寺鎖大師の山頂だ。
ここから江の島を望む事が出来る。江の島の山頂
に立てば、神奈川県の南岸の情報がすべて集まる
だろう。ここに光通信のネットワークがあるような気
がする。

 戦争がいつの時代にもあったとは思わない。でも、
何かが天神山の向こうから遡上して来て、台の集
落に近づいたとしよう。それを見つけるのが笠間の
親戚の集落で、警報が出されるだろう。それをキャ
ッチして人々に伝えるのは、最新技術を持った予言
者だ。予報は霊能力が無くても出せるのだ。
 そういうネットワークと技術の片鱗を、大船と台の地
に見出す事が出来る。そう思った。

 アメノウズメが岩戸の前で踊っていた時に、後ろに
掲げられていた鏡は八咫鏡(やたのかがみ)という。
ウィキペディアによると、咫(あた)は円周の単位で、
「直径46cmの円鏡」という名前なのだそうだ。
ずいぶん大きい。
この鏡を作ったのが石凝姥(いしこりどめ)で、石の
鋳型で鏡を鋳造する老女という意味だそうだ。もち
ろん栄区は古代から鉄の産地だった。
私は鎌倉の名の由来という藤原鎌足の奥さんが、
鏡女王という名なのが気になっている。
参照:49.万葉集の大船幻影(休憩)
そしてこのあたり、この光の子午線が通ったと夢想
する大船は、尺度郷と言われた地である。尺度とは
スケール。基準となる目盛。この地で何が測定され
たのだろう。そんなことを言うと、歴史の先生に笑わ
れてしまう。「さかど」という音を表すのに、尺度という
字を使っただけなのだろう。古代の物部の一族がいた
場所に、酒人とか坂戸、坂門郷、尺戸郷という地名が
残っているのだそうだ。いずれも「さかど」と読む。

最後に、台の東西も見てみよう。
真東は八雲神社の山を越えて、瑞鹿山山頂。円覚寺
の山だ。
参照:104.北鎌倉 八雲神社の山頂開発
真西は山崎小学校の近くの神明神社。南はK鎌倉女子
学園グランドの山頂93mである。その先は三宅島だ。
鎌倉の南の守り、朱雀である。
参照:60.重なり合う四神
笠間公園からの光が届いたであろう台の山頂は、私が
台の天文台と呼ぶ場所に重なる。旧道かまくら道が、
まるで滑走路の様に真っすぐに通るその先に在るのだ。
その道は離山地蔵から台まで、北から18度西に傾斜す
る直線道だ。鎌倉時代であれば、北斗七星の柄の一番
端の破軍の星が沈んで行く場所へ、道は延びている。

追記:
プレイステーション ポータブルを買った。ソニーの携帯
ゲーム機だ。セガのホームスターポータブルというソフト
が走る。プラネタリウムになるのだ。これで紀元前から
未来まで、年代を入れて星の動きがわかるのだ。
すばらしい。
北西から北まで、つまり45度の距離が45mmで表示
されるので、破軍が沈む位置もよくわかる。
鎌倉時代の若宮大路の先に、北斗が立ち上がっていく
のを再現してみせてくれる。すばらしい。

光通信のイメージは、アップルコンピュータのゲームの
Myst(ミスト)シリーズから得ている。離れた島同士を
光軸の曲がった望遠鏡で結ぶと、その中を光が走って
島々を結ぶという、美しい課題があるのだ。

:::Top 最新の目次に戻る:::


  ***亀子***( 3 Oct. 2008)
 
     

//////無断複製を禁止します。All Rights Reserved. (C)亀子
検索にご利用下さい
inserted by FC2 system